日本病院会正副会長|2022年頭所感

一般社団法人日本病院会

ウイズコロナ時代と医療制度改革

 あけましておめでとうございます。
 医療逼迫が問題となった昨年のコロナ第五波も落ち着きを見せてきましたが、昨年年末から今年年始にかけての第六波への対策準備で各病院のご苦労も大変であったろうと推察いたします。
 一方、人口減少と高齢化社会への進行が急速な現在、昨年夏のコロナウイルス感染拡大「第五波」で病床不足が深刻化したことも相まって、働き方改革や医療機関の再編、並びに医師の偏在の解決が喫緊の課題となってきました。
 昨年の医療法改正により、いよいよ2年3カ月後に迫った医師の働き方改革や医療提供体制の確保に関してその実行性が問われる時期が参りました。働き方改革については、長時間労働となる医療機関における医師労働時間短縮計画の作成や健康確保措置(面接指導や連続勤務時間制限、勤務間インターバル規制など)の実施、地域医療の確保や集中的な研修実施の観点からやむを得ず高い上限時間を適用する医療機関を都道府県知事が指定する制度の創設などであります。
 時間外労働時間が年960時間以下の医師のみの医療機関は指定を受ける必要はありませんが、地域医療確保暫定特例水準(B、連携B水準)や臨床研修や専門医研修(C―1水準)、高度特定技能研修(C―2水準)の指定を受けるには、医療機関勤務環境評価センターによる第三者評価を受けなければなりません。そのためにこれら指定をうける医療機関では、今年の4月より書面評価の受付が始まります。
 厚労省は昨年11月中旬、「医師の働き方改革の推進に関する検討会」の下部組織として「病院勤務医に対する情報発信に関する作業部会」を設け、勤務医に対して働き方改革の意義や医療現場での行動変容を促すための情報発信の方法を検討することとしています。
 新年のご挨拶としては各論的なものとなりましたが、今年こそコロナ感染が沈静化し、明るい年となりますよう祈念しております。

岡留健一郎
一般社団法人 日本病院会 副会長 岡留健一郎


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